私は情報屋
壱に家柄、弐にお金、そんな学園に私は入学することになった。
転校初日、私は理事長室にて3時間待たされており、我慢の限界に来ていた。
「遅い、遅すぎる。」
そんな思いが通じたのか、理事長室の扉は開かれた。
「やぁー君が転入生の庶民だね。」
「・・・・・。」
私、入学するのやめようかしら?
これは私の率直な気持ち。
だって、ねー?散々待たされた挙句、入ってきたのはどこぞの馬鹿息子、開口の一言が『庶民だね?』って、嫌になりません?
すっと立ち上がって馬鹿息子の方を向けば何故か視線は輝いていた。
「君は、ミニマムで可愛いじゃないか!!」
…ミニマム。
・・・ミニマムですって!人が気にしていることを抜け抜けと言ってくださって、コイツ殺す。
「環先輩!初対面の人にそんなこと言っちゃ駄目ですよ!」
どこかで聞いたことのある声。
・・・。どこでだっけ?その声の本人を見ようとしても、目の前のデカブツが邪魔して見えない。
「ハルヒ!何がいけないと言うんだ。」
そう盛大に発言する馬鹿。
ここの学園にはこんな馬鹿息子しかいないんだろうか。
…ん?ハルヒ?
ハルヒってまさか、あの、ハルヒ?
「あぁ!来夏さんじゃないですか!」
「え?あ。」
やっぱりそうだ。小さい頃、よく遊んだ彼女。
彼女、・・・女の子、だったよね?
「ハルヒ、あの、女だよね?」
「えぇ、まぁ。」
「なんで男子の制服着てるの。」
「あぁ、これはですね。色々ありまして…」
へへへと照れ笑いをしながら頭をかいたハルヒが説明をし始める。
そこには予想以上の展開。
結論、この学園はまさに馬鹿の集まり。
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